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素材:麻58%・レーヨン39%・ポリウレタン3%
サイズ:1
1, オススメポイント
Robes&Confectionsでは珍しく、テーラードラインでショートパンツのつくりがあります。率直に、ものすごくオススメの形です。
とにかく感激したのは、ウエスト内側のテーラード仕様です。ロングパンツをどんどんイージーパンツ化させていくなかで、一番カジュアルな見た目のショートパンツはテーラードのスラックス仕立てで縫製するというバランス感覚に、本当に脱帽です。
「ロングパンツはウエストをゴムにしても、うちのシルエットを出す自信があるんですが、ショートパンツはさすがにそのままカジュアルになりすぎると思います。テーラードの仕立てにすることで、量販店では絶対に手に入らない仕立ての良いショートパンツに仕上げることができました」(デザイナーの土屋さん)。
生地は大きくリネン6割・レーヨン4割の構成比で、ポリエチレンが3%入っているという、きわめてユニークな素材構成で、その着た感や生地の育ち方もやはりとてもユニークです。
ラックに掛かっている状態で見ると「リネン感」は小さめで、どちらかといえばレーヨンらしいスルッとしっとりした雰囲気と、またストンという落ち感が特徴的なのですが、私たちが試着を繰り返すなかで、その清涼感のある着た感と、また独特のシワの入り方で、「実際にはこんなにリネンっぽい生地なの?!」と驚かされました。
さらにこれも着れば着るほど分かるのですが、どんどんリネンらしい表情になっていくのに、生地名の通りなんと伸縮性(←ポリエチレン)があります。Robes&Confectionsのアイテムはパターニングに優れているので伸びない生地でも着心地は十分なのですが、この生地はいっそう気持ち良く着て頂けます。
ブランドのデビュー20周年コレクションである23SSコレクション、「20周年だからこそ”いつも通りのローブス”を」というデザイナーの方針のもと、全体的にはこれまでの傾向から大きな変化はありません。
ただ、彼らのアイデンティティであるテーラードウェアについては、まさにこの20年間の軌跡をそのまま見せてくれるような特別な仕組みが用意されています。
デザイナーの土屋さんがいうように、ヨウジヤマモト時代に磨かれたクラシカルテーラードの技術をベースにしつつも、それぞれの時代に対応する形でアレンジを加え、多彩なシルエットを発表してきたRobes&Confectionsの20年間は、テーラードウェアへの敷居をより低くできるよう提案してきた歴史でもあります。
そのことを背景に、23SSではジャケットではクラシック・リラックス・ルーズの3種類、パンツではスリムストレート・ストレート・テーパード・バギー・ショートの5種類のシルエットを展開し、大勢のお客様のお好み次第でどのようにも着られるようにしてくれています。
そして重要なことは、それらが典型的なスーツ生地の典型的な色で並んでいるわけではなく、そこはあくまで今季22AWまでの延長線上で、気持ち良く&着合わせしやすく着られる生地で、しかも近年ブランドが提案する様々な「色」とともに展開されているという点です。
また、たとえばロングパンツのウエストはゴム&ひもの仕様で、流麗なシルエットからは想像もできないイージーパンツのつくりであったり、また逆にショートパンツについてはウエスト周りをテーラードパンツの仕様にして引き締めたりと、Robes&Confectionsらしいディテールの工夫が冴えわたり本当に圧巻です。
ブランドが20年前に目指した「女性に上質なテーラードウェアを」という方向性は、今では大前提として当然のようにそこにあり、もはやそれは「どなたでも、いつでも気軽に着られる日常服としてのテーラードウェアを」という、私たちにとってより親しみやすい理念に進化しているように、私たちの目に映ります。
【 Robes&Confections (ローブスアンドコンフェクションズ) とは】
デザイナー:土屋郷
大黒柱である確かなテーラリング技術に、時代時代の「ファッション」のエッセンスを巧みにブレンド。常に「いま」を感じさせるカジュアルテーラードのスタイルを主軸にしています。
メンバーの大半がパタンナーというプロフェッショナルたちが長年のキャリアを積み重ねて、いまではワンピース・スカートなどのレディースウェアからメンズラインまで総合的に、素材とパターニング&カッティングにとことんこだわったコレクションをリリースしています。